年末になると必ず行われるベートーヴェンの第九のコンサート。
テレビ中継でも観ますが、なぜ年末の合唱にベートーヴェンの第九が選ばれるのかご存知ですか?
第九の第四楽章が歌詞付きの合唱を取入れた演奏構成になっています。
その歌詞はシラーと言う人の詩に基づいていて、当時ドイツで演奏されたときは、あまりにも表現力が強烈すぎて、一般の方には中々受け入れられなかったそうです。
それがベートーヴェンの死後、ワーグナーという作曲家が再度演奏して、その頃から時代背景も変わって広まっていきました。
第九の歌詞が年末に好まれる理由と、ベートーヴェンが訴える歌詞に込められた意味とは何だったのでしょうか?
目次
第九の歌詞は世界平和へのメッセージ!ベートーヴェンが期待した意味とは?
第九の演奏が年末に始まったのは、日本が最初ではありません。
第一次世界大戦が終わったドイツで、年末に平和を祈ってベートーヴェンの第九の演奏がされたのが始まりです。
第九の合唱の歌詞は、「歓喜の歌」で新しい社会への期待をこめたベートーヴェンの強いメッセージから始まるからです。
当時の終戦直後のドイツは、新しい年を友情や愛情、自由、喜びという多くのことに共感していいことがある!と願いを込めて演奏されました。
歌詞のはじまりに、「フロイデ!(ドイツ語で歓喜を意味します。)」というのが、その象徴です。
同じように日本でも第二次世界大戦後に、現在のNHK交響楽団が第九を演奏したのです。
それがちょうど12月に行われたので、その名残で日本では年末に第九と言うのが定着しました。
もう1つの理由は、戦後の演奏家たちは当時の経済状況が悪くて、収入面でとても不安定でした。
ベートーヴェンの第九の演奏は、当時とても人気があったので、コンサートを開くと確実な収入に結びついたのです。
そのため経済的なことも含めて、好んで演奏されていた事情もあります。
様々な事情も含めて、ベートーヴェンの意志は、こうして平和を願う世界中の人たちへと伝えられ守られています。
世界に感動を与えた第九の歌詞の意味!合唱で広がる世界の輪!
年末はもちろんですが、その世界平和を訴えた歌詞は、多くの大切な場面で演奏されています。
長野オリンピック、東日本大震災の後、ベルリンの壁崩壊後。。。
本当に世界の大きな節目になる場面で、この歌詞の平和を訴えるパワーがマッチしていました。
ベートーヴェンはかなり昔の作曲家にも関わらず、いまだにその合唱が色あせないのは、流行にちなんで作られた物ではないからです。
この1曲を演奏することを通して、世界中の人たちが手を取り合って平和に過ごしていこう!という考え。
スケールの大きさ、作曲の目的や価値観、どれをとっても今の音楽とは少し違うかもしれません。
世界中でジャンルを問わず、音楽フェスが行われるのは、音楽には国境がないからです!
自由な発想や表現をダイレクトに伝えられる、唯一の方法なのかもしれないです。
日頃聴いているポップスの音楽でも、人によって好みがあるように、何を選んでも自由なのです。
第九はその豊かな表現力を持った、ベートーヴェンという作曲家のシンボルです。
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年末にはなぜ第九の演奏?べートーヴェンの歌詞に込められた意味とは?のまとめ
第九を年末に演奏するのは、様々な時代背景と歌詞に込められた意味がマッチするからです。
年末は新年を迎える準備期間なので、次の年に向って多くの願いを持つ時期です。
歓喜、自由、そして平和。
ベートーヴェンは個々の人々だけでなく、広い社会へも訴えるパワーを歌詞に込めました。
それを受け取って、何を感じて生きていくのか考えさせられる素晴らしい曲です。
何となく毎年演奏されているな。。。と思わないで、その意味を知って聴きましょう!