「お雛様を片付けるのが遅れると結婚できないよ!」ってよく聞きます。
笑い話のようですが、年頃の娘さんがいらっしゃるご家庭だと、なかなかこれが実は心に引っかかったりするものです。
そのほか・・・
「お雛様って、いつ飾りいつ片付けるのが正しいの?」
「早く飾っても問題はない?」
「なんで婚期を逃すなんて言われてしまうの?」
なんて、疑問をお持ちの方も実は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、この「お雛様」についての様々な疑問についてお話していきたいと思います。
目次
結婚できない?意外と知らないお雛様を飾る正しい時期
雛人形を飾る時期についてですが、どんなに早くても節分後の立春からというのが一般的とされています。
そもそも「雛祭り」には、春という季節を寿(ことほ)うという意味があり、季節が春になるとされる立春を待ってから飾るのです。
ちなみに、2019年の立春は、2月4日(月)です。
しかし、これが絶対というわけではなく、お正月の松が明けたらに飾る(1月8日以降)ところもありますし、一月遅れの4月3日が「雛祭り」とされている場所では春休みが始まる頃に飾るなど、実は、地域によって飾る時期が大幅に異なっているのです。
特に、「雨水の日」に雛人形を飾ると良縁に恵まれるとされており、毎年この日を選んで飾る人も多いそうです。
「雨水の日」とは、この日から雪が雨に変わり春に向かっていく節目とされている日です。
つまり、これから春になっていくお知らせの日であり、昔は雨水をさかいに、農作業の準備をはじめました。
雨水の時期は、「2月18、19日頃から啓蟄(けいちつ)の前までの期間」とされており、2019年は、2月19日から3月6日、特に期間の初日が「雨水の日」とされており、2019年は2月19日です。
ちなみに「雨水の日=良縁」とされているのには諸説ありますが、日本神話が特に有名です。
雨水から春に向かう中、草木が芽吹き雪解け水が川に流れ始めます。
「水は命の源=母」と考えられていました。
なので、「水の神様は子宝の神様=安産の神様」として崇められている地域もあります。
このため、お雛様を雨水に飾ると良縁に恵まれると言われるようになったようです。
やっぱり女の子ですから、両親としてはできれば良い伴侶に恵まれて欲しいものですよね。
お雛様を飾る時期と婚期の関係とは?
「雛祭りが終わってすぐに雛人形を片付けないと結婚できない」については、以下のような説があります。
言葉掛けとして
「娘を嫁がせる=親の義務」という時代、「他家へ娘を嫁がせる=片付ける」と表現されていました。
ここから、「いつまでも雛人形を片付けない=娘が片付かない」という言い伝えが生まれたようです。
躾の意味として
お節句のような年中行事の後片付けもさっさとできず、出しっぱなしにしておくのはだらしがないと思われ、これではお嫁に行ってもきちんとできないという戒めからきているようです。
災厄を払うとして
雛人形は、「災厄から飾った人を守るため」という、祭礼的な意味合いがあります。
つまり、身代わりになったモノは早く片付けた方がいいですし、遠ざけた方がいいということから来ているようです。
しかし、これらはすべて俗説です。
お節句が終わったらできるだけ早く片付けた方が良いとされてはいるものの、だらだらと飾り続けないということが大事なだけで、3月4日に絶対に片付けなければいけないというわけではありません。
片付ける際に婚期よりも配慮した方がいいこと!
実は片付ける際に第一優先すべき点は、日にちではなくはお天気です。
お節句が過ぎたら、お天気の良い晴れの日になるべく早く雛人形を片付けましょう。
実は、雛人形に使用している生地にとって油断大敵なのが湿気です。
もしも、ジメジメした日に片付けてしまった場合、人形に湿気を残したままとなってしまい、来年、箱から出したらカビやシミが!なんていう恐ろしい結末になりかねないのです。
「婚期を逃す!」という俗説よりも、お天気と相談しながら大切に片付けることが大事です。
お雛様の片付けが遅れると結婚できない?!飾りつけや片付けのベストな時期とは?のまとめ
雛人形を片付けないと婚期を逃すというのが俗説と分かっても、人によっては、やはり気になるものかもしれません。
もし、気になるのであれば、来年のお雛祭りの際には雨水の時期を心に留めておき、お人形にとって負担の少ないお天気の良い湿気のない日に片付けるようにしましょう。