頻度としては少ないけれど、ここぞという大事な場面で着用するという方も多い着物ですが、着たあとにクリーニングに出すか・出さないか迷うことはありませんか?
数時間の着用だったりすると、わざわざ出さなくても大丈夫かなとも思いますし、長く保管出来る物だからこそ、クリーニングでキレイにしてもらった方が良いのか悩むところです。
では、一体どっちが正解なのでしょうか?
そこで、今回は着物を着用した後のクリーニングについてお伝えしていきます。
目次
着物ってクリーニングが必要なの!?
着物のクリーニングですが、毎回必要かと言われたら、実はそうではありません。
一度袖を通したものだから、なんとなく衛生的にクリーニングで丸洗いをした方が良いのかなと思う人が多いですが、実際、着物をクリーニングに出したとしても、落ちるのは油性の汚れだけで、汗などの水分の多い汚れは落としきれていないなんてこともあるそうです。
着物はどちらかというと、汗などの水分などで汚れやすいので、そういった汚れならクリーニングに出す必要はなく、家庭でのお手入れだけで十分なのです。
家庭で出来るお手入れについては次の項目でお伝えするので、是非試してみてください。
逆に家庭でのお手入れだけではダメというか、すぐにでもクリーニングに出して欲しいパターンもあります。
それは、食べ物をこぼしたり、飲み物をこぼしてしまったりという明らかな汚れの場合です。
このような汚れがある場合、家庭での対応では、シミになったり、カビが生えたりする原因となってしまうことがあります。
とりあえず染み抜きしてみようと、ご自分の判断で対処してしまい着物自体を傷めてしまいます。
ですので、明らかに汚れが目立っている時には、クリーニングに出してください。
また、着物には、長襦袢、肌襦袢、帯、帯締め、足袋などがセットですよね。
特に、肌に近い状態で着用する、長襦袢、肌襦袢、足袋は皮脂汚れなどがつきやすく、そのまましまってしまうと、劣化やシミの原因になります。
ですので、こちらは迷うことなくクリーニングに出すようにしましょう。
着物を着た後のクリーニング以外のお手入れ方法
クリーニングに出すほどではない着物は、ご家庭でお手入れするだけで大丈夫です。
お手入れ方法も比較的簡単なので、着た後に対処することが出来ます。
では、方法についてです。
①着物を脱いだ後は、必ず陰干しをする。
着物にとって、この陰干しが何より大事な作業です。
着た後の着物には、たくさんの汗が染みこんでいます。
この水分を飛ばさないと、カビや変色などの原因になって次回着ようと思った時に着れなくなってしまいます。
①脱いだ後の着物を和装ハンガーに掛けて形を整える
②直射日光が当たらない、日陰でなおかつ風通しの良い場所へ干す
③2時間~半日程度陰干しをして完了
陰干しが出来ない場合は、室内干しでもOK。
室内の場合には、日の当たらないところにかけて、窓を開けてしっかり換気を行いながら干してください。
②着物専用のブラシでブラッシング
ホコリやゴミなどが付着したままだと、害虫が発生したりしやすくなります。
ですので、着た後は、陰干し後にブラッシングするようにしましょう。
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③定期的に確認&タトウ紙の交換
着物って着る機会がないと、着た後にお手入れをしてそのままタンスの中にしまってしまうというケースが多いです。
しかし、ずっとタンスの中にしまっておくと、これまたカビやシミの原因になってしまいます。
ですので、半年~1年に1回は陰干しをしたりすると着物がより長持ちします。
また、着物は保管するときに、タトウ紙というもので包まれているのですが、このタトウ紙は、吸水性の高い和紙でできていて、湿気を吸い取り、着物に湿気がこもるのを防いでくれるものです。
このタトウ紙は大体2年くらいで徐々に吸湿性を失っていくようなので、2年くらいたったら交換すると良いでしょう。
タトウ紙は呉服店やインターネットなどでも購入することが可能です。
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まとめ
着物は、保管状態が良いと、何十年ももつ優秀なものです。
クリーニングに毎回出さなくとも、着用した後もきちんとしたお手入れは必要です。
着物が大きいと大変かもしれないですが、お手入れ自体は簡単なものなので、是非長く使用するためにも実践してみてくださいね。