数年前に惜しまれつつ亡くなった有名な日本画家、東山魁夷さん。
多くの作品が様々な人や施設に影響を与え、最近も東山魁夷さんの特番が放送されています。
皇居の壁画、奈良県唐招提寺の襖絵を始め、日本でも歴史のある建物に数多く作品を残しています。
風景画を多く描かれ、大変穏やかな気持ちにさせてくれる魅力があります。
風景を描くのは、簡単なようで四季の移り変わりの描写はとても難しいものです。
派手さや奇抜さという画風ではなく、素朴で日本古来の美しさを大切にされる作風が、海外でも多くの画家に何か訴える物があるんです。
激しさを感じる作品ではないのに、どうしてこんなにひかれるのか?その魅力にせまります。
目次
日本画の素晴らしさはここにある!国内外で有名な東山魁夷さんの原点とは?
今でこそ海外を拠点とする日本人の画家は当たり前ですよね?
昭和の時代に東山魁夷さんは、ドイツの大学へ留学して師事し、自分の作品の個展も海外で開催しました。
ドイツの功労文化勲章も受賞されています。
東山魁夷さんは、留学中にヨーロッパの芸術文化の素晴らしさとレベルの高さにすごく衝撃を受けたそうです。
西洋美術の良さを自分の作品にも取り入れて新しいスタイルを確立し、その後多くの記憶に残る作品を残しました。
中でも印象的な東山魁夷さんの、「絵を描くことは祈りをささげること」と言う言葉。
彼が、ヨーロッパの教会で見た美術作品から、自分の作品との共通点を見い出したからです。
日本の四季折々の季節の流れと生命、日本画に古くから伝わる「かさね色目」の手法を思わせる色遣い。
海外にはない四季の移り変わりの繊細な感覚と表現力は、日本人ならではのものです。
日本人の現代画家に影響を与え続ける東山魁夷さん!その作品はここで鑑賞できる!
①長野県信濃美術館・東山魁夷館
長野県長野市箱清水1-4-4(善光寺東隣)
美術館の広さも作品の数も多くお隣の善光寺と合わせて観光客も立ち寄る東山魁夷さんのファンなら一度訪れたい場所。
オリジナルグッズの販売もしているので、記念に買っていく方も多いです。
②中津川市東山魁夷心の旅路館
岐阜県中津川市山口1番地15(道の駅賤母敷地内)
東山魁夷さんが訪れて版画を始めとする作品の寄贈があった美術館。
道の駅賤母の敷地内で、とても小さい館内ですが周りの自然豊かな空気に触れ、東山魁夷さんが深く感銘を受けた理由もわかります。
③市川市 東山魁夷記念館
千葉県市川市中山1丁目16番2号
東山魁夷さんが晩年はこの市川市で生活されていたので、記念美術館が作られました。
市川市の名誉市民でもあります。
④香川県立東山魁夷せとうち美術館
香川県坂出市沙弥島字南通224-13
東山魁夷さんの祖父が香川県の出身でゆかりがあるため、遺族から作品の寄贈があって作られた美術館です。
瀬戸大橋のカラーを提案したのが東山魁夷さんだと言うつながりもあるためです。
※東山魁夷さんの作品は全国で展示会が行われる機会が多いため、常時展示している美術館以外でも、各地で絵画の鑑賞はできます。
まとめ
日本画の持っているよさと繊細さが西洋美術の影響を受け、東山魁夷さんの作品が世界的にも高く評価されるようになりました。
テレビでも時々特番を放送されるほど、その作品の素晴らしさは今の時代の画家にも大きく影響を与えています。
芸術はそれぞれ本人の個性が伝わる作品で表現するものです。
東山魁夷さんの作品が多くの人の心をとらえるのは、その絵画から感じ取れるメッセージが安らぎを与える物だからでしょう。