富士山は日本を代表するシンボルとなっています。
四季の移り変わりでとても美しい景観を楽しめる、素晴らしい山です。
ところが意外に知られていないんですが、富士山の頂上部分は、実は私有地で持ち主がちゃんといるんです!
世界遺産にもなっている富士山が私有地があったの?と、だいたいの人が驚く事実です。
雑学が詳しい人なら知っていると思いますが、富士山を巡っては今まで多くの経緯で持ち主が存在しています。
富士山がどうして一部分だけ持ち主がいるのか、歴史とその後の時代背景と共に紹介します。
富士山の頂上は神霊を鎮めるために持ち主が祀った場所!
かなり古い2000年も前の紀元前の頃は、富士山は噴火を繰り返す活火山だったんです!
今では全く想像もつかないですが、そんなに頻繁に噴火していたら、その周辺に住む人々はとても困っていたはずです。
噴火を起こしているのは、富士山の「浅間大神」という神霊によるものだと考えられていました。
そのため富士山にその神様を祀って火山の噴火を鎮めたと言われています。
現在はご存知のとおり、富士山は休火山となっております。
実は、その後の歴史の流れで、戦国時代の武将「徳川家康」が富士山の所有者となっていました。
しかし、家康が1606年に「浅間大社」へその富士山の土地を寄進したのです。
「浅間大社」というのは、全国に点在する1300社もある「浅間神社」の総本宮です。
どこかで聴いたことある神社なのは、あちこちに同じ名前の浅間神社があるからです。
ところが、その後明治政府が法律で富士山を国有地として定めてしまったのです。
そこから元々の持ち主だった浅間大社と国との間で、かなり長い年月裁判で争われてきました。
富士山の頂上をめぐる長年の持ち主トラブル!
浅間大社は、古くから富士山を神聖な場所として祀って大切にしてきた神社です。
多くの国内の山は、当時は山岳信仰というものがあったためです。
そのため法律で国の所有地となってしまったことに異論を訴えて、返還するようにと裁判を起こしました。
結果は昭和49年に浅間大社側が勝訴して、返還するという事で決定しました。
ところが実際に返却されたのは、なんと30年も経ってから正式に無償譲与と言う形で返還されたのです。
ずいぶん長い年月がかかりましたが、私有地なのは富士山の8合目より上の頂上部分のみです。
富士山の頂上には、浅間大社の鳥居をくぐって神社があり、もちろんお参りも出来ます。
富士山って、そういえば山梨県なのか静岡県なのかって、どちらなのかも不明ですよね?
実はそれも2つの県でもめているとのこと。
「おもて富士」とか「裏富士」とか聴いたことがあると思いますが、それがその2つの県の話です。
所有権の争いを避けるために、富士山はわざわざ県境の区切りをつけていないそうです。
いまだに浅間大社も返還されたものの住所が特定できず、土地の登記ができないそうです。
場所が場所だけに、測量とか正確にするのも難しいですし、はっきりさせるともめる素になりそうですから中々難しいものです!
まとめ
世界遺産ともなっている誰もがその美しさに心奪われる、「富士山」。
その土地の所有権をめぐって、長年の歴史の中で国も含めて裁判があったりと、トラブルが起きています。
海外の観光客や登山家の人にも、特別な美しさと絶賛される山なので、それを争ってでも自分の所有地にと乗り出すほど。
元々の活火山だった富士山を祀って、大切に守ってきた「浅間大社」が持ち主なのは、何となくうなずけます。
今でも富士山の山頂は「富士山本宮浅間大社」という正式名称があります。
パワースポットとしても有名で、初日の出やご来光を観てありがたみを感じる人も多いです。
どんな歴史を刻んできたのかを知ると、富士山の歩みも分かります。
これからも大切な宝として富士山を守っていきましょう!